2004/09/14
[語り部]
やあ、あんたかい。
なんだい？
私に何か言いたそうな
顔をしているね。
……もう異変には慣れていた
つもりだったけどね。
とにかく酷かったよ……
ここ最近のコモドの異変は。
妙な人間がやってくるし
モンスターは出現するし……
……この前、夢を見たんだ。
このコモドがモンスターで溢れ、
炎に包まれる夢を。
そして全てがグラストヘイムに
集まっていく夢。
全てって何かって？
……
何かは分からない……
思念……異変……
負の力……全ては……
……全てだよ……
とにかく、私にはあれがただの
夢だとは思えなかったんだよ。
夢で見たものがそのまま現実に
起こったわけではないけれど、
似たような事が起きている。
以前、フェイヨンで異変が起きた時
霊的な思念の存在の話をしたろう？
思念の記録が残っている場所に行き、
その波、力と同調すると、
目に見えないモノを目撃する事がある。
それは、時に｢魂｣とか｢幽霊｣
なんて呼ばれる場合がある。
｢幻｣も含まれるかな……
そして、思念が記録されるという事は
抽象的なモノが実態として
存在し得るということだ……
それならば思念や、それに類するものは
時空を超えて情報を届けることが
できる場合があるんじゃないかな？
未来……過去……
もしかしたら並列して存在する世界や
異世界……
そこに記録や力は伝播する……
例えば我々の世界で言われる
前世の記憶なんてものは
そういう現象によるものなのでは
ないだろうか？
とにかく、私が夢に見たものは、
もしかしたら私が無意識のうちに
未来か過去か、はたまた別の世界の
思念の記録を読み取った
あるいは受け取ったもの
なんじゃないかって思うのさ。
この世界では起きなかったけれど
どこか……
別の世界では起きた｢事実｣の
記録なんじゃないかな。
そして……
私以外にも、その別の場所で起きた
｢事実｣を、この世界に生きながら
知っている人間も……
おそらく沢山いるはずだよ。
なぁ、あんた。
そろそろ……
見えてきたんじゃないかい？
この世界に起きている異変の
原因、真実が……
- はい
……ふふふ、そうかい。
もうすぐ……
きっともうすぐ答えが出るよ。
- いいえ
……そうかい、それならば
それでいいのかもしれないよ。
知らなくても良いことは
世の中にはたくさんあるからね。
見えないほうが幸せなことだって
あるさ。
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