**2004/04/06
[語り部]~
……あんた、ここらの人間ではないね。~
……まぁ、いいんだそんなこと。~
~
…………~
~
鏡の世界、影の世界、時間軸のズレ……~
……名前なんてどうでもいいか。~
~
なぁ、あんた。考えたことないかい?~
この世界以外に、世界が存在するん~
じゃないかって。~
天国と地獄って意味じゃないよ。~
似て非なる世界……~
~
私は子供の頃からずっと考えてたんだ。~
鏡の中に映る自分は、自分が見てない~
時には好き勝手に動いてるんじゃない~
かって。~
~
自分の影も、夜になったら~
どこかに行ってるんじゃないかって。~
~
…………~
~
あんた、今日朝ごはん食べたかい?~
私は食べた。~
~
だけど、もしもだよ。~
今朝、朝ごはんを食べなかったら~
食べなかった自分が存在する世界が~
生まれたんじゃないかな?~
~
私が朝ごはんを食べた世界と……~
私が朝ごはんを食べなかった世界……~
~
それとも……~
そんな曖昧な世界じゃなくて~
完全に独立した、だけどこの世界に~
良く似た……あるいはこの世界から~
派生した世界が、どこかに存在するん~
じゃないかな。~
~
きっと違う世界はあると思うんだ……~
そして、お互いの世界は~
ほんのちょっぴりだけど~
関係しているはずなんだ。~
干渉し合ってると言っても~
いいかもしれない。~
~
この世界で起きたことは~
あっちの世界に影響を与えるし~
あっちの世界で起きたことは~
きっと、こっちの世界にも~
影響してると思うんだ……~
~
違う世界を覗いて見たくはないかい?~
なぁ、あんたはどう思う?~
~
--さぁね~
……否定も肯定も無しか。~
それも正解かな……~
--違う世界、あるといいね~
……ふふふ……見られるよ・~
あんたにも、ね。~
ただ、そんなことを考える人間が~
たくさん居たら……~
大変なことに……なりそうだね……~
ふふふ……~
--大丈夫?~
……そう言われるのも~
もう慣れたさ……~
~
分岐してゆく木の枝……~
1本の枝は、周囲の枝の存在を~
知り得ない。~
でも、枝同士は干渉し合っている。~
~
普段それに気づかないのは、~
他の枝があるといことを知覚する~
手段が無いからだろうね。~
([[R.O.M 776:http://green.sakura.ne.jp/~youc/ro/index.html]]より)
~
~
----
[[来週の語り部>語り部2004/04/13]]