2004/07/13
[語り部]
……やあ、あんたかい。
あんた、最近いい目をしているね。
何を考えているんだい？
……まぁ、いいんだそんなことは。
鐘が偽りの時を刻む……
ジュノー共和国の国境都市アルデバラン
にある時計塔の鐘が滅茶苦茶に鳴り始め
……それが未だに続いているらしい。
そして、時計塔のワープシステムにも
異常が発生しているという話だ。
この間、歪みは空間だけでなく
時間にも影響しているんじゃないかって
話をしたのを覚えているかい？
アルデバランの時計塔は、
古の錬金術師たちの英知により
作り上げられた特殊な建造物。
何が起こっても不思議じゃない。
だが……
時を刻むモノが、時間の歪みに反応した
と考えてもおかしくはないだろう？
歪みの影響は、生物だけではなく
この世界全体に広がっている……
時計塔内部に入ったある魔術師の
話では、随分前に時計塔から
姿を消したはずの小さな悪魔が、
不協和音を奏でる鐘の音に惹かれたのか
再び姿を現したそうだよ。
古の錬金術師たちは何を思い
塔を建て、あの数多くの歯車に
どんな仕掛けを作ったのだろうか。
鐘の暴走を引き起こしたものは
歯車なのか、あるいは別の何かか。
あんた、気にならないかい？
- もちろん気になるよ
ふふふ。
まだ時計塔の異変は続いているんだ。
あんたのその目で直接見てくるといい。
ただし、モンスターには
十分注意することだ。
命を粗末にしてはいけないよ……
- 歯車ってどこかで聞いたな
……よく覚えているね。
確かに以前、概念的な歯車の
話をした事があったね。
今を見るだけでなく、過去を
振り返ることも重要だよ……
- 気にならない
……そうかい。
まぁ、それでも構わないよ。
無理に考えても無用な混乱を
招くだけだからね……
- その魔術師が気になる
……へぇ。
魔術師に惹かれているようだね……
だがそう感じるって事は、
あんたは既に彼の魔術に
かかっているのかもしれないよ。
用心することだね。
先週の語り部 / 来週の語り部
![[PukiWiki]](image/pukiwiki.png "[PukiWiki]")
